2006年05月19日
歯並びの診断
矯正歯科を訪れても、即治療ということにはなりません。治療を始めるまでには、いくつもの段階を踏む必要があるのです。
まず、初診相談では、患者さんの主訴を聞くことから、過去の病歴や現在の健康状態をチェックします。とくに鼻づまりなどの耳鼻科的な診査が重要です。また、歯並びに影響する悪習癖、家族歴も参考にします。顎関節の診査、問診も行います。
ここでは、歯並び、骨格、口もとのバランスなどの現状を説明したのち、治療開始時期、治療の方針、治療の期間、通院頻度、歯を抜くか抜かないか、治療装置の種類、治療中の注意と協力の内容、治療後の予測される咬合と口元、治療後の管理(保定管理)、第三大臼歯(親知らず)の将来の処置、治療に伴う痛みなどのリスク、治療費と支払い方法などを、細かく説明します。通常、それらのメリットとリスクの概略を含め、治療計画書として、書類に残します。
装置をつけたときの痛み、不快感や、歯ブラシのたいせつさについても、説明を受け、気になることや聞いておきたいことがあれば、質問するとよいでしょう。要は、最初のコミュニケーションがひじょうに重要だということです。なんといっても、その後何年も、同じレールに乗って進まなければならないのですから。
気道の問題があれば耳鼻科へ、埋伏歯、過剰歯などがあれば口腔外科へ、むし歯、歯周病があれば、矯正治療前に他の歯科医院での治療が必要となることもあります。舌癖などの悪習癖があれば、その訓練も開始することになります。
コンサルテーションが終わると、開始時期がきまります。受験、就職、留学、結婚、転居など、たいせつな予定は早めに申し出ておいて、治療計画のときに考慮してもらうべきでしょう。
どこを、どこまでなおすのか
どこを、どこまでなおすかという治療目標の設定のしかたには、いろいろな方法がありますが、どんな場合でも、よい歯並びと噛み合わせ、美しい口もとと、安定した健康な口腔内を作るという最終的な目的に変わりは、ありません。セファログラムは、骨格だけでなく、歯の位置や、顔面のバランスを調べ、どこまで動かすべきか、歯を抜くか、抜かないかなどを、歯型や写真、アデノイド、桃腺などの耳鼻科的疾患を参考にして決定するのに必要です。
また、半世紀以上にわたるセファログラムの情報の蓄積から、ヒトの顔がどのように成長していくかについて、かなり解明されてきています。治療ゴールを、成長の予測も含めて作図し、「目で見る治療目標(VTP-Visual Treatment Planning)」を作るという方法があります。これは、成長、歯の移動、骨格の変化、横顔のラインからつくられる予測図で、予知性のある治療を期待する患者さんには必要なものといってよいでしょう。
次回は、治療を始めるタイミングと、それにかかる時間についての話です。
まず、初診相談では、患者さんの主訴を聞くことから、過去の病歴や現在の健康状態をチェックします。とくに鼻づまりなどの耳鼻科的な診査が重要です。また、歯並びに影響する悪習癖、家族歴も参考にします。顎関節の診査、問診も行います。
ここでは、歯並び、骨格、口もとのバランスなどの現状を説明したのち、治療開始時期、治療の方針、治療の期間、通院頻度、歯を抜くか抜かないか、治療装置の種類、治療中の注意と協力の内容、治療後の予測される咬合と口元、治療後の管理(保定管理)、第三大臼歯(親知らず)の将来の処置、治療に伴う痛みなどのリスク、治療費と支払い方法などを、細かく説明します。通常、それらのメリットとリスクの概略を含め、治療計画書として、書類に残します。
装置をつけたときの痛み、不快感や、歯ブラシのたいせつさについても、説明を受け、気になることや聞いておきたいことがあれば、質問するとよいでしょう。要は、最初のコミュニケーションがひじょうに重要だということです。なんといっても、その後何年も、同じレールに乗って進まなければならないのですから。
気道の問題があれば耳鼻科へ、埋伏歯、過剰歯などがあれば口腔外科へ、むし歯、歯周病があれば、矯正治療前に他の歯科医院での治療が必要となることもあります。舌癖などの悪習癖があれば、その訓練も開始することになります。
コンサルテーションが終わると、開始時期がきまります。受験、就職、留学、結婚、転居など、たいせつな予定は早めに申し出ておいて、治療計画のときに考慮してもらうべきでしょう。
どこを、どこまでなおすのか
どこを、どこまでなおすかという治療目標の設定のしかたには、いろいろな方法がありますが、どんな場合でも、よい歯並びと噛み合わせ、美しい口もとと、安定した健康な口腔内を作るという最終的な目的に変わりは、ありません。セファログラムは、骨格だけでなく、歯の位置や、顔面のバランスを調べ、どこまで動かすべきか、歯を抜くか、抜かないかなどを、歯型や写真、アデノイド、桃腺などの耳鼻科的疾患を参考にして決定するのに必要です。
また、半世紀以上にわたるセファログラムの情報の蓄積から、ヒトの顔がどのように成長していくかについて、かなり解明されてきています。治療ゴールを、成長の予測も含めて作図し、「目で見る治療目標(VTP-Visual Treatment Planning)」を作るという方法があります。これは、成長、歯の移動、骨格の変化、横顔のラインからつくられる予測図で、予知性のある治療を期待する患者さんには必要なものといってよいでしょう。
次回は、治療を始めるタイミングと、それにかかる時間についての話です。
投稿者 根津浩 17:11 | コメント(0)| トラックバック(0)
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